私は、20歳から25歳の間、外航船にエンジニアとして乗船勤務していました。
船のエンジニアの仕事をしている時に出会ったのが、パコデルシアのギターでした。
船内生活は暇なので、本ばかり読んでいました。
村上龍の小説「コインロッカーベイビーズ」の中でパコデルシアの名前が出て来てどんな人、どんな音楽なのだろう、と興味を持ったのが始まりです。
あまりに強烈なインパクトがあり航海中毎日聴いていました。非常に奥の深いものがあると感じました。
船内生活というのは本当に退屈で、「退屈と戦う」のと「人と仲良くする」のが主な仕事でしたが、彼のギターは船内生活を退屈にしませんでした。
私は、船舶職員の仕事を生涯の仕事にするつもりでしたが、会社が消滅してしまいましたので、海運業界は去ることにしました。
船会社をやめて8ヶ月ほどスペインとイタリアに旅行に出かけました。
この旅行中にグラナダでアントニオマリンモンテロ氏にお会いしました。氏は「いつか君がお金持ちになったら私のギターを買いにおいで」と言ってくれたのを覚えています。
工房の前に椅子を二つ並べ、腰掛けていろいろ話をしてくれました。とても良い思い出です。
近いうちにギターを作ってアントニオマリンモンテロさんに会いに行こうと思います。
20〜25歳の頃はパコデルシアのギターばかり聴いていました。
これは最高です。私のギターの神様です。