パーラーギター完成しました

漸くパーラーギターが完成しましたので、ご紹介致します。

 

パーラーギターというのは、アコースティクギターの一種で、普通のアコースティックギターより少しサイズが小さいです。その名の通り少人数の集まりの時に弾いて楽しむものです。小さめのサイズは女性が持っても大き過ぎず格好良いです、また嵩を取らないので邪魔にもなりにくいです。ただサイズは小さいからといって音がそんなに小さいことはありません。

 

さてギターラデラフロリータのこのギターの特徴を以下に記載します。写真の概要は当ホームページの製品Productのところをご覧下さい。

 

1.材質は次の通りです。表板:ジャーマンスプルース(ヘルマンハウザーの工房にあったもの)、ネック:ホンジュラスマホガニー、裏板:インディアンローズウッド、指板及びブリッジ:エボニー。すべての材料は40年以上エージングしたものです。

 

2.表板のブレーシング、ハーモニックバーの構成はギターラデラフロリータのオリジナルです。マーチン、ギブソン、テーラー、ヤマハなどの有名なメーカーのものとは全く構成が異なります。

 

3.ボディの高音側上部と低音側下部に15ミリのコンターを取り付けています。演奏性が大きく向上します。見かけは小さいですが、十分に設置した効果があります。実際に体験してみるとよくわかると思います。また大きなカッタウェイのようにボディ内容積を減少させ、音質に影響を与えることがないのでお勧めです。

 

4.ロゼッタにアバロン貝のインレイを取り付けています。幅が約1センチあります。通常細いものはよく見かけますがこのサイズのロゼッタは少ないです。裏板のバインディングにもアバロン貝のインレイを取り付けています。幅が約5ミリあります。この部分も通常より太いものです。希少性が高いです。

 

5.セラックニスのフレンチポリッシュを実施しています。スペインやイタリア製のギターのこの塗装で見受けられる高品位な膜厚と光沢になるように仕上げています。スプレー、エアーブラシ、筆、刷毛、そしてパミスパウダーなどの研磨粉を使用していません。シェラックニス、綿布、綿花、エチルアルコールのみで仕上げています。

 

6.見かけは小さく、優美で華奢ですが、ボディとネックは堅牢で強靭です。裏板は4枚のインディアンローズを1枚に接ぎ合わせをしています。ボディーとネックの接合はスペイン式でV溝に楔を挿入しています。そのため蟻ほぞで見られるネックの元起きはありません。また横板の厚み調整、補強、設置方法にもギターラデラフロリータ独自の工夫をしています。

 

7.ネックとヘッドストックをV接続にしてボリュートをつけています。これは見栄えを良くすることと希少性を高めるためにしています。

 

最後に、やはり見栄えには強いこだわりがあり、人が集まるところで目立つ外見を優先しています。おそらく少し暗いところでスポットライトが当たるとキラキラして映えるのではないかと思われます。音は、優しく、丸みがあり、高い音ほど優しい傾向にあります。高く鋭いところはありません。歌う時に同じ帯域で音が重なることはないと思います。

 

このギターは、ギターラデラフロリータのパーラーギターのプロトタイプであり、店舗展示及び試奏用のため販売できません。お客様のご依頼により製作します。

カテゴリーCategory

アーカイブArchive