ウクレレの塗装をシェラックニスのフレンチポリッシュで実施しています。薄く、綺麗に仕上がりますので、弦楽器の塗装に好都合です。しかし、この塗装を上手に仕上げるにはかなり高い技術が必要です。ギターの木工作業にかかるのと同じくらい時間がかかります。つまり木工作業終了時点で、まだ半分しか楽器が出来上がっていないことになります。
塗装方法は、一般的に綿の生地に綿花を入れて、てるてる坊主を作りその表面にオリーブオイルとシェラックニスを2滴ほどつけてあとはくるくる楽器の表面を擦るだけ。実施することは至って簡単です。
この塗装作業は、木工とは全く別の作業です。スペインでは、木工作業が終わればギター製作者は研磨作業だけしてシェラックニス塗装専門業者にこの作業を依頼する方もいます。ギター製作は、木工と塗装の二つに分かれていると私は考えています。
この塗装が仕上がると本当によく頑張ったなという気持ちになります。とにかく時間がかかりますので、強い忍耐力と努力の継続が大切です。私は社会に出て40年近くいろいろな仕事に携わらせて頂きましたが、この塗装作業はその中でも最高に難易度が高いです。簡単なものほど奥が深く、難しいと言いますがまさにこのことだと思います。
2023.06.15