ものを見るという日常を見直す

ものを見ることについてお話しします。

 

ギターを作っていて手先が器用ですね、とよく言われることがあります。そんな時私はこう答えています。「手が特別に細かな動きができるのではなく、ものがきちんと見えているから細かな細工が出来るんだよ。」

 

別に手が独立して細かな動きをすることで極細部の加工を可能にしているのではなく、ものが加工したい厚さ、形状に確実に思い通りに加工するのは、ものが目に確実に映っているからだと思います。

 

隙間があったり、曲がっていたり、傷が付いていたり、なんだか見ておかしいものは、

①きちんと見えていない
②見るということをそれほど意識しておらず重要だとは感じていない

からではないかと思うことがあります。

 

この二つは自分の体験でもあります。もし今まで以上に微細な絵を描いたり、彫刻をしたい、美しい曲線を描きたいと思う時は自分の視力を疑い、ものをきちんと見るという意識がどれくらいあるのかを見直してみると良いと思います。

 

あともう一つの見る力というのは、もう一つあると思います。それは未来の予測だと思います。

 

実際に見えているのは現実と近い将来しか見えません。良く見えるのは明日くらいのものです。ちょっと考えると週末くらいまでは予想できるかもしれません。

 

遠慮という言葉がありますが、現在ではもの言いを控えたり、自分の立ち位置に合わせて行動が過ぎないようにすることですが、本来は遠くの未来や場所について見据えて深く慮る(深謀遠慮)という意味だそうです。

 

今、目に映るものから、現状を判断し、近い将来を予測し、1年後さらに20年、30年先を考えることができるのは、やはりものを見る力のひとつだと思います。

 

ものを見るという当たり前の日常をもう一度見直すことはなかなか気付かず、自分の物の見方を変えるのはかなり難しいですが、実際にものを観る力が上がった時の世界観はかなり違うと思います。

 

あなたの目にはいつも何が映っていますか。 2024.09.01

 

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