Natassa Theodoridou

ナターシャテオドリドウ(ギリシャの歌手)

 

私はサウジアラビアの砂漠の中の油田設備で6ヶ月ほど働いていたことがあります。油田の設備の近くにキャンプがありそこで生活をしていました。

 

砂漠の中は昼は猛烈に暑く、夜は寒くなります。近くのよろず屋(日用品販売、レストランなど)まで歩いて10キロはあり、砂漠の中を歩いていかねばならないところです。

 

当然キャンプと仕事場の往復しかせず、ビザが切れる頃になってバーレーンまで車で移動して、パスポートにイミグレーションのスタンプを押してもらったらご飯を食べてすぐに油田に戻るという実に味気ない生活をしていました。私はお酒を飲まないので別に問題ありませんが、イスラム教の戒律でお酒は飲んではいけないので、お酒好きの方には辛いところです。一方、タバコは吸ってもお咎めありません。

 

砂漠はなるべく歩くなという指導があり、砂漠へ入ったことはありません。サソリがいることと、油田の開発調査に間違えられると問答無用で撃たれるということらしい。砂漠にゴミ袋みたいな黒いものがあれば絶対踏むな、それはサソリだから・・・と教えてもらった。

 

実に退屈な日々を雇い主のギリシャ人のおじさんと過ごしていたある日、音楽の話になってギリシャではどんな歌が流行っていて、オススメの良いのはありませんかと訊いてみました。ギリシャ人のおじさんは「いいのがあるからこれ聞いてみな、有名な歌手だよ」とUSBを渡してくれました。

 

そこに入っていたのは、曲名も歌手の名前も何もわからない順不同で適当に音楽が入っていました。そこでどこの誰だか、顔もわからない、そして何語かもわからないけれど、女性で歌声の良い感じの曲が入っていて自分のパソコンにコピーさせてもらいました。

 

毎日砂漠の中で大して何もすることのない日々だったので、この歌はとても退屈しのぎに良かったです。その時に知ったのがナターシャテオドリドウというギリシャ人の女性歌手で、曲名は”Aharisti Kardia”でした。気に入ったので日本に帰った後もずっと長い間聴き続けています。

 

なぜ最近になって歌手の名前と曲名を知ったのかというと”Shazam”というアプリを教えてもらったからです。それで彼女の名前と曲名を知った次第です。他にはギリシャ人のおじさんのUSBにはカナダの11:30というポップグループの”Ole Ole”という曲が入っていてそれもとても良かったです。他に入っていたのはリッキーマーチンのマリアでした。あとキプロス人歌手のZiynet Saliという女性の歌(Zordur Oglum)も入っていましたが、これも歌声が良かったです。

 

というわけで、ナターシャテオドリドウとの出会いはこんな感じで、今でもギターを作りながら良く聴いています。歌声がとても好きです。 2024.08.28

カテゴリーCategory

アーカイブArchive