新しいクラシックギターの図面を紹介します。現在製作中のクラシックギターが塗装の段階まで進みましたので、その合間に新しいクラシックギターの設計を開始しました。
新しくギターを作る時は必ず図面を作成しています。難しいもの、時間を要するもの、重要なものほど計画が大切だと考えており、とても行き当たりばったりで出来るものではありません。
頭の中にあるものが明確な形になって現れ、紙面上に記録されるのはとても気持ちが良いものです。図面は基本に過ぎず、図面通りに作った上で、さらに細かな細工、調整を実施しています。しかしギター本体、ロゼッタの始まりは図面であり、図面なしでは製作できません。
今ままではトーレス、ロマニージョス両氏のギターを参考に進めてきましたので、次回からは従来調べたり実験して良かった部分を集積して路線を少し変え、自分のオリジナル色を強めたギターで進めていきたいと考えています。
まずはボディ形状ですが、丸みを強めています。丸みのある形状の方が見た感じが好きだからです。厚みは3種類作って良いコンディションを探る予定です。
表板の設計はブレーシング、ハーモニックバー、ロゼッタ裏の当て板形状が変わります。ハーモニックバーとブリッジバーの詳細は重要なノウハウなので図面に記載していません。
裏板はトランスバースバーを先にボディに取り付けてから、ボディに貼り付けます。これはアントニオデトーレス氏と同じ方法です。理由は簡単で裏板にトランスバースバーを付けてからボディのライニングに溝を切って貼り付けるのが上手くないからです。これでトランスバースバーの外れがかなり防止できます。
ヘッドストックも今回からオリジナルになります。もう少し尖ったものになると思います。
ロゼッタも新しくします。今回は木口(軸方向)でなく木端(接線方向)で組む予定です。あとはタイルを切断したり削ったりしないで扇形にしようと計画しています。かなり難しい挑戦になりそうです。
振り返ってみると毎回ギターの設計が異なり、ロゼッタも違います。このようなことをしているから年に4台ほどしか出来ないのかもしれません。毎回品質の向上を心がけているのでそれも仕方ないかなと思っています。
この設計でまず3本作ってみます。頑張ります。2024.07.12