テールピースの話をします。
人間でもギターでも端っこと真ん中に重要な部分があります。
人間は端っこに頭、足の踵と爪先が、中心には心臓があります。
ギターは端っこにヘッドストックとテールピースが、中央に表板とネックの接続部があります。
さてこの一番下にあるテールピースは何をしているのでしょうか。普段は姿形が見えません。逆にこれがなければ一体どうなるのでしょうか。想像してみて下さい。
ギターの一番下で、表板、裏板、横板の全てを一箇所に接続してバラバラにならないように一つにまとまるように頑張っています。
ここが上手く接着出来ていなかったり、強度が不足したら間違いなく腰砕けの音になります。
普通は一枚板でテールピースは作られますが、その場合、表板と裏板は、木口で接着することになります。木口(年輪を水平に切る方向)は接着剤の染み込みが早く、木端(年輪を垂直に切る方向)に比べて接着強度が下がます。
写真のように上端部と下端部を木端が表板、裏板に向くようにすると全ての接着面が木端だけになり接着強度が増します。
私のギターに取り付けるテールピースは全て3ピース構造になっており、接着強度を上げることでギター下部の強度を向上させています。
これは、イグナシオフレタさんのギターがこのように作られており、良い方法なので私も取り入れてそのようにしています。上部と下部のピースの一部を中央部に差し込むとさらに状態は改善するようなので、それも実施してみたいと思います。 2023.08.13