今回は、鋸の話をします。
鋸は、ギター製作になくてはならない道具です。と言うことは使い方をマスターしないといけないということです。日本製の鋸は一般的に引くと切れるようになっています。これが簡単なようで難しいのです。
今まで何も考えずにだた罫書きした線に合わせて、鋸を引いていました。なかなか罫書きの線通りに思うように木が切れません。だいたい歪んでしまいます。後で鉋やヤスリで仕上げる必要がなく、まっすぐスパッとかっこよくできないものかなあ、と常々思っていました。
杉や檜なら柔らかいし、繊維も安定してるから切りやすいけれど、ギターに使う木は硬度が高く、年輪が均一でなく、一つの木でも硬いところ、柔らかいところがあるから切断が難しく、曲がって切れてしまうのかと考えていました。
先日ロゼッタのモザイクを切っている最中、あまりに曲がって切れてしまい歩留まりが悪く、イライラしていたので、これはいかんなと諦めて、力を抜いて鋸が勝手に切れる方向に好きなように切らせたら、なんとまっすぐ切れたのでした。
これは、まずい・・・今まで曲がって切れていたのは、自分が不要な力を加えるから鋸の歯が曲がって、予期せぬ方向に切れていたのがわかった瞬間でした。不要なことを無意識にして、自分で腹をたてるという悪循環に陥っていたのでした。
鋸は、本来まっすぐ切れるようになっているものだと知りました。今では写真のネック下部のボディと接続するV溝もまっすぐあと加工はほとんどなく一発で綺麗に切れます。
私はホームセンターで普通に販売されている鋸を使っています。日本製の鋸は高性能で高価でなくとも十分に機能を持っているので、ギター製作に十分適していると思います。鋸に限らず日本製の大工道具は本当に優れています。 2023.07.16