私が使用している工具についてお話します。今回は切り出し小刀についてです。
私は道具オタクではありません。ギターを製作するのに十分な機能があれば道工具はそれで十分という方です。高価な良いものは優れているに決まっていますが、まあそこまで頑張らなくてもよいのではと思います。
この切り出し小刀ですが購入当初はほとんど切れず、なんだかハズレを手に入れてしまったなあ、残念だけれど何かしらの縁がありここに来たのだから、このまま使うことにしようと決め、そのまま使い続けていました。
ある日、砥石で砥ぐ時に、砥石の中央が斜めに凹んでいることに気がつきました。そこで砥石の表面を平面に加工してこの刃を砥いでみました。そうしたらなんと今まで切れなかったのでが嘘のように切れるようになりました。
このような大きな平面がある刃を均一に研ぐこと自体がかなり難いですが、とにかく普段当たり前と思っていることでも、いつも自分のしていることが正しいのか見直してみると良いことの典型的な例ですね。
今では、この切り出し小刀一本でネックのほとんどを整形します。ヒール、ネックの竿、ヘッドストック全部切削して整形します。紙やすりはほとんど使いません、それは塗装するために面を仕上げるためだけです。
道具、工具そういったものを大切に長く使うことは好きです。大事にすれば何十年でも使えます。また大切にしていると道具もそれに応えてくれる、そんな気がします。 2023.07.11