槍鉋(やりがんな)

槍鉋を紹介します。

 

これは刃が全て曲面で構成された刃物です。左右対称になっています。その名の通り槍の先端のようです。

 

これは普段あまり販売されているのを見かけませんし、見つけても品揃えが少ないことが多いです。私は、「三木金物まつり」で工具を探しますが、このお祭りでは、いろいろな工具があり、この槍鉋もこんなに種類があるのかというほどこのおまつりではあります。

 

私はおまつりはあまり好きではありませんが、このおまつりだけは違います。毎年11月に開催されいつもとても楽しみにしています。

 

さて、この工具は、刺す用途にも使用できますが、一般的には削る目的で使用します。左右対象の曲面を削るのに非常に便利です。

 

ギターの場合は、ヘッドストック内の穴加工、ネックのヒール部の切削加工に非常に有効な工具と言えます。これがない場合は、左右対象の切り出し小刀が必要で、またわざわざ持ち替える必要があります。

 

しかし槍鉋の場合であれば、片側方向に削りながら連続してその反対側も対象に削っていくことができます。作業性が良く、目的物を対象の形状に整形しやすいです。

 

欠点は、刃を砥ぐのが非常に難しいです。いい加減に砥ぐと全く切れなくなります。また慣れるまでは上手に削れません。

 

慣れてくると砥ぐこともできるし、削ることもできます。日本の大工道具には優れたものが多いですが、習熟度が低いと使用できないという欠点もあります。しかし、使えるようになるとこれほど強い味方はありません。   2023.08.17

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